背中全体が重く、首も肩も痛いという方がいらっしゃいました。

検査をしてみると、経絡でいう督脈にストレスがかかっていました。
督脈とは、主に背中側の正中線を流れている経絡です。

今回の場合は、この督脈に「これから起こることに対する苦しい決断」や「過剰な責任感」など、仕事のストレスが影響していました。
つまり背中に、覚悟や責任という「プレッシャー」を、重く重く背負っていたわけです。

督脈にストレスを感じると、首や背中の痛み、腰痛などを引き起こします。
さらに症状が重くなると、何と脳梗塞の危険性まで出てくるのです。

督脈に対して限界以上のストレスがかかると、異常な緊張を首周りに引き起こし、脳梗塞にまで発展してしまう事があります。
耐え難い責任感や覚悟は、脳梗塞の原因となるケースがあるのです。

今回の症状は、それら仕事上のストレスをリセットすることにより解決しました。
結果、体は軽くなり、首や肩の症状もなくなりました。

さらに督脈にかかるストレスは、全身に及びますから、いくら寝ても疲れが取れないとか、他の臓器にも影響が出たりします。
逃げちゃいけない、絶対に責任を取らなきゃ等という考え方は、「ストレスに耐えられる限界」をあっさり超えさせてしまいます。
自分の理性が「ストレスの対象から逃げることを、絶対に許さない」からです。

人間の精神力は体力に比例しますから、精神的ストレスの限界は必ず体にも現れます。
根性と呼ばれる精神力は、結局、「体力があるから耐えられる」ものであって、ストレスが限界に達すると気持ちが折れ、相関関係にある体も壊してしまいます。
精神力とは、決して無限ではないということです。

病気でもないのに妙に体が重かったり、疲れが取れなくなり始めたら、自分の気持ちに焦点を当ててみる必要があるかもしれません。
体の疲れは休めば取れますが、心から来ている体の疲れは、ストレスの解決以外の回復はないからです。

体の不調には、何らかのストレスが影響しています。
いつも機嫌よく過ごせるような工夫をすることが、体にとっても一番の健康法ですね。