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治療をしていると結構よくあるパターンなんですが、今日もありました。
治療中の、こんな会話です。

「どうです? 治りましたか?」

「・・・まだ、あるような気がします」

検査では既に治っていると出ている症状ですが、本人的にはどう感じているのか確認している会話です。
すると、実はもう消えてしまった症状のはずなのに、「まだある」と答えられる方が珍しくないんですね。

本当は既に悩んでいた症状は消えてしまっているのですが、本人的には「本当にあるような気がする」わけです。
さらに「まだあるような気がする」感は、本当に症状を発生させてしまいます

これは、人間の症状は気持ち次第で重くも軽くもなるという働きから出てくるもので、さらに言えば、「気が済まないと治らない」ということを表しています。

 

例えば歩いているような時、ちょっと間違って足をぶつけてしまった場合を思い出してみましょう。

スネを何かのカドにでも「ゴン!」とでも、音がなるほど当ててしまったとしたら、かなり痛いはずです。
でも何かで急いでいたり、その場でぶつけた箇所を確認できなかったりすると、そのぶつけたスネは帰宅後に見ることになりますよね。

そして家に帰って、「さっきは痛かったな?」とズボンの裾をめくってみると・・・・真っ青になっていたとしたら?
きっと青くなったスネを見る前より、見た後のほうが痛みは増してくると思います。

直前までそうでもなかった痛みが、なぜかジンジン脈打つように痛み出してしまう。
これは「目で見てこんなに青くなっているということは、相当痛いはずだ」という思い込みが、想像力によって痛みを大きくしているのです。

つまり、痛みというのは極個人的な感覚で、気持ち次第で大きくも小さくもなってしまうわけなんですね。
ここに、「・・・まだ、あるような気がします」の理由が隠されているわけです。

 

大多数の人は、自分が悩んでいる症状に対して、「この方法で治して欲しい」という治療法が決まっています。

例えば肩こりの場合でしたら、そのコリや痛みを

  • マッサージでほぐして欲しい
  • 鍼で治して欲しい
  • お灸を据えて欲しい
  • カイロプラクティックで背骨をボキボキして欲しい
  • 温泉に入ってほぐれたい

などなど、自分がお気に入りの肩こり解消法があります。
そしてお気に入り以外の解消法は、「なんとなく気に入らない」解消法になってしまいます

実は、この辺りが凄く厄介です。
つまり、気に入らない解消法では、肩こりは治らないばかりか、自分のお気に入りの方法以外では良くならないという、「私の考えは正しいぞ!」というプライドを守るため、さらに症状が強くなったりすることがあるのです。

「お気に入りの肩こり解消法」になった理由の例としては、

  • 以前、その方法が凄く良かった
  • なるほど、それなら良くなるはずだと納得した
  • 自分がすごく信頼している人に勧められた
  • 自分がすごく信頼している人が治療をしてくれている

などがあります。

少し粗っぽくまとめると、「自分がそれなら間違いないと納得しているかどうか」が、本人の症状が改善するかどうかを決めることがあるわけですね。

 

本当は消えているはずの症状がまだ残っていると感じる場合、それはご本人が納得した治療法ではなかったという可能性を表しています。

当館の治療法は、他では類を見ない手法ですから、当然、予想外なことは間違いありません。
簡単にいえば「こんな方法で、症状が消えるとは予想していなかった」わけですね。

つまり、「納得する根拠が頭の中に存在しない」のです。

そんな場合は、「こんなことで治るのかな。まだ症状があるはずなんだけど」という気持ちをリセットします。
すると「納得しない」という気持ちがなくなりますから、症状もきちんと消えるわけです。

 

これらの現象は、現在味わっている苦痛が大きければ大きいほど、期間も永ければ永いほど、まだ症状が残っていると思いがちになります。
症状に凄く苦労したので、それを取り除く治療も大げさなくらいの方が納得しやすいんですね。

例えば膝をすりむいて病院に行ったとして、病院で
「こんな程度で病院に来るのですか?」
って言われるより
「これは痛そうですね?」
という感じで治療されたほうが、病院に満足出来るはずです。

症状が治る条件とは、

  1. 正しい治療法であるかどうか
  2. 治る条件に納得しているか
  3. 心が満足したか

にかかっている部分が大きいわけです。

 

かなり話が逸れますが、駅前の中華料理屋さんから、ここ2?3年前に「唐揚げ定食」が無くなってしまいました。
最近は行っていないのですが、多分まだ復活はしていないと思います。

そしてその事実を知らずに「唐揚げ定食」目当てで行った時の、私の落胆ぶりと言ったらありません。
ある意味、「今日は唐揚げ定食でしか、この空腹を満たせない」状態なんです!
それ以降、私の唐揚げが食べたくなる日は少なくないので、そのすぐ近くにあるホカ弁屋さんの「唐揚げ弁当」を食べるようになりました。

唐揚げを食べたい日は唐揚げです。
チャーハンを食べたい日に、餃子を出されても心が満たされないのです!!

お気に入りとは、ある意味、自分を肯定するプライドです。
プライドを大切にするためにも、私のお気に入りは、全てにおいて守られなければならないワケですね。