
「酷いこと言われて、私、傷ついたんだから!」 これは少し前に、私が言われた言葉です。言ったのは、私の知人の奥様です。
この奥様、当時は網膜剥離で入院され、その事をこの方のご主人である古い知人に知らされ、LINEで「網膜剥離と言う事は、旦那と殴り合ったのか。それはそれはお大事に」と送りました。網膜剥離はボクシング試合後の症状としてよく聞くからです。私の気持ちとしては、病気は大変だけど夫婦は仲良しだね、という意味になります。
ところが奥様、自分の網膜剥離に対する被害者意識が強すぎて、最初の激昂となったのです。
「あれ? おかしいな。いつもなら『館長さんったらバカなこと言って』で済まされるはずだが…」と、私は頭を捻りました。奥様とも15年ほどは知り合いだから、以前なら悪意があるわけ無いと、分かるはずだからです。ただ初めの暴言があったので、以降、奥様とは完全に縁を切らせていただきました。
最初の疑問が、ほんの数日前に分かりました。奥様は「若年性認知症」なのです。
彼女は現在50代のおわりです。ところが普段は能力以上の頑張りをしていて、その無理が知能を傷めつけ、若年性認知症を作ったようです。私は会ったことのある方なら、当時を思い出して検査できるので、認知症に間違いはありません。
これは私に若年性認知症を学ぶ機会があり、認知症の傾向の中に「人の話が理解できない」「怒りっぽくなる」など、他にも思い当たる点が多くあったので、そうだったのかと納得しました。実際、今回の奥様は、すでにこちらの言葉の意味を、理解できなくなっていたようです。
この方は元々、100人中55番程度の知能でしたが、昨年から母親の介護がストレスになり、知能が74番程と、境界知能寸前にまでガタ落ちしました。私の研究では、認知症とはストレスの負担が大きすぎて起きると分かっています。
普通だと100人中40番代でも、忙しいと認知症になるのに、この方は70番代半ばですから、若年性認知症がでたのでしょう。若年性認知症とは、65歳以下で出る認知症で、以降に出るのが通常の認知症になります。
ただし頑張りすぎなければ、知能が高くなくても、認知症は起きないようです。因みに85番以降は境界知能と呼ばれる、知的障害直前の知能に当たり、こちらもストレス過多で引き起こされます。
認知症は、個人の能力を超えた心労が作ります。心当たりを感じられれば、まだ間に合うのかも知れません。
まだ認知症には若いなら、健匠館が回復のお手伝いをいたします。知能を上げれば、認知症は解決可能です。